Hollypro NEWS26号に掲載されたレポートの完全版です。
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旧静浦中学校を災害現場にするオファーが…
この作品のお話をいただいたのが2025年3月初め。知り合いの制作さんから2025年4月クールのドラマの撮影で「水害による災害派遣要請で、教官2名が土砂崩れのあった学校又は公民館で救助活動を行うシーン」を旧静浦中学校で撮影できないかと相談がありました。最終的に建物は土砂崩れに呑まれてしまう設定です。どこまで本当にやってどこまでCGなのか聞いたところ、出来れば土砂を校内に入れたいとのこと。沼津市的には現状復帰してもらえればOKです。
メインロケハンを行い、最終的にロケ地に決定しましたが、実際にどこまで校内でやるのかが問題になりました。美術さん曰く、「全部校内でやったら現状復帰するのは難しい。セットを組んで子供の救出シーンの撮影はその中でやった方がいい」ということになりました。セットはスタジオとかで作るのかと思ったら、校舎下のピロティに作るとのこと。あとは土砂をどうするかが問題ですが、それは地元の建設業者・大志建設さんにお願いしました。
大志建設さんは実際に災害復旧もやられていて、この時も江浦の山中の道路の災害復旧をされていました。美術さんと旧静浦中学校で打合せした時、災害復旧はしたことあるけど災害を作ることはやったことないと嘆いていましたが、そこはプロ。土砂は何がいいとか、これはこうしたらいいとか、災害現場を見てきているので的確な助言をいただき助かりました。

災害現場を作る
5月13日(火)14日(水)が撮影日と決定し、逆算してゴールデンウィーク開けの7日から準備を始めることに。撮影は本編(6話)とスピンオフドラマ(TELASA)を撮ることになりました。撮影はグラウンド、グラウンドからピロティへの道、ピロティ、旧校舎1階、体育館、他にスピンオフドラマ用に屋上と狩野川の階段提を使うことになりました。
まず、土砂をトラックで運び込みます。毎日何往復したかわからないぐらいに土砂を運び込みます。休日もトラックで運びこんでいたら近所の方から市役所へ不法投棄しているとの通報が。後日、通報した方には訳を話して納得していただきました。あれだけ土砂積んだトラックが行き来していたら通報も納得です…。
土砂搬入と平行してピロティでは校舎内のセットを美術さんが作り、校舎内にも土砂を実際に運び込んで災害現場を作ります。セットはこの校舎の先の設定になります。校舎内の旧校舎の廊下は養生にブルーシートを敷いて土砂を入れているけど、ピロティへの階段は養生無し。土砂を入れて水を撒いて…。本当に現状復帰(きれいに)出来るか…ちょっと不安になります。


校舎内作業がほぼ終わり、次にピロティからグラウンドへ続く階段、道も土砂を撒きました。また、グラウンドではヘリコプターからホイストで降下するシーンの為、決めた区画をユンボで土を掘り返し、その周りを金網フェンスで囲みます。この金網フェンスですが、撮影前にはほぼ出来上がっていましたが、撮影2日前に強風が吹き作ったフェンスが倒れ壊れてしまいました。急遽応急処置をして何とか復旧。前日では無くてよかったです。撮影前日に監督が来て全てチェック。土砂が足りないところには土砂を足して撮影に準備しました。


クランクイン
撮影は2日間。主に仁科役の濱田岳さんと中林役の高岸さんが長野県岳里市の災害救助に来るシーンを撮影します。
1日目は5月13日、最初の現場は屋上です。スピンオフドラマ内のシーン。ビルの屋上で避難民を仁科と中林が誘導するシーン。ここでエキストラの子供さんが泣き出してしまいました。普通ならNGとなるところですが、臨場感があるということでそのまま撮影続行しました。
次にホイストで中林が女性を抱えて上昇するシーンがあるのですが、屋上では吊り上げが出来ないので昇降口前の道で撮影しました。
このシーンが終わってグラウンドに行き、本編のシーンを撮影します。ヘリコプターから仁科と中林がホイストで降りてくるシーン。キャタピラ式の高所作業車を使って上から演者を吊ります。これは通常の車輪タイプだとグラウンドまでの斜度がきつく登って来られない為です。準備の時にはキャタピラ式でも登ることが出来ず大騒ぎになりました。撮影はヘリコプターの臨場感を出すためにモーターパラグライダーのエンジンを使い草等を飛ばします。降下後、上の校舎に向かって走り出します。ピロティに着いたら要救助者(父親)を発見。中林が救助に当たります。仁科は校舎に向かい声がすると言って校舎の中に入っていきます。この一連の流れを撮影しました。
夜は狩野川河川敷を使ってスピンオフドラマの撮影。19年前の設定で仁科蓮と奥さんの芽衣(黒川智花さん)の結婚する前の話を撮影しました。
沼津撮影2日目、この日はグラウンドから撮影開始。スピンオフドラマの撮影になります。救助した父親と少女をヘリコプターにホイストして救助するシーン。主に中林が父親と少女をホイストしてヘリコプターに載せる設定。昨日とは逆に高所作業車に向かって上昇させます。このシーンの最後、仁科だけグラウンドに取り残されます。その後、仁科がどうなったかは本編及びスピンオフドラマを見て下さい。
午後はピロティに作ったセット内での撮影。セット奥にトイレがあり、そこに少女が取り残されている設定。前日に仁科が校舎の中に入って行った先のシーン。このセット、廊下に土砂が流れ込み凄い状態になっている。さすがにこれを本当の校舎内では出来ない。
撮影は仁科役の濱田さんが土砂をかき分け奥のトイレに向かう。トイレには少女が取り残されていて、その少女を助け出すまでがここでの撮影。途中に土砂を入れたりしてもう少しで崩落してしまう演出を入れたり。濱田さん、泥だらけになりながら撮影していました。

夜は体育館で前線基地の松本駐屯地の設定で撮影しました。ここでは自衛隊員役のエキストラさんを入れました。ここの撮影は23時頃までかかりました。

撮影隊はこの後、次の日の撮影場所の小牧基地に行く予定でしたが、この日の日中に小牧基地所属の練習機が墜落し、現地は撮影どころではなくなっていて、結局次の日の撮影は中止になり、美術さんを残して皆さん東京に帰って行きました。
次の日から現場の復旧作業が始まり、休みを挟んで21日まで5日間で全て復旧させました。心配だった校舎内、草が生えていたピロティやグラウンドへ続く階段や通路も前より綺麗になりました。
この作品、TELASAやNetflix 等の配信で見ることが出来ます。(スピンオフドラマだけはTELASAのみ。)撮影場所になった旧静浦中学校がドラマの中で最後にどうなったのか、仁科隊員は最後どうなったのか、気になる人は配信で見て下さい。
エキストラの感想
●2025年5月13日(火)、私たちエキストラは、屋上に避難し救助のヘリを待つ被災者役。雨の演出のため地面は何度も水を撒かれ、リアルさを追求するために、数名はご本人の了承のもと濡れた状態で撮影に臨みました。
そこへ登場したのが、仁科さん(濱田岳さん)と中林さん(高岸さん)。仁科さんが大きな声で被災者を励ますシーンでは、最前列の子供が怖さのあまり泣き出してしまう場面も。仁科さんは苦笑いしながらも、リアルな感情としてそのまま撮影は続行。無事にシーンは成功し、撮影後にはその子に優しく声をかける姿が印象的でした。しかし、その仁科さんが後にあんなことになるとは…。
2025年5月14日(水)、旧静浦中学校体育館にて撮影。出演者には、仁科蓮役の濱田岳さん、中林誠役の高岸宏行さん、そしてパイロットの森野明里役の野村麻純さんらが登場。私も同じくパイロット役として、体育館の入口で森野さんと共に待機するシーンに参加しました。狭い待機スペースで、森野さんとの距離はまさに“ゼロ距離”。心臓の鼓動が高鳴り、まるで爆音のように響く。数秒後に体育館へ登場するという設定でしたが、その数秒が永遠に感じられるほどの緊張感。倒れるかと思うほどでした。(yufu)
●撮影は学校の屋上で救助を待つ避難者役でした。リアル感をだすために、顔や靴を汚され水を撒いたり巨大扇風機を回して風をあびながらの撮影でした!(加藤均)
●2歳の息子と参加しました。大洪水から逃げ込み屋上で助けを待つ避難者役だったのですが、濱田岳さん演じる仁科蓮が、大泣きする息子に駆け寄り「もう大丈夫だ」と励ましてくれるシーンを撮ってもらえ、とても貴重な経験になりました。晴れた日の屋上では直射日光が照りつけていたのですが、撮影の合間に、ティモンディ高岸さんが「帽子持ってきてる?直射日光強いけど大丈夫?」と声をかけてくださり、ご自身もウェットスーツの衣装で、こちらより暑いはずなのに、お心遣いがとてもありがたかったです。毎回楽しく観ているドラマですが、出演した6話の放送を見るのは、すごく待ち遠しいです!(チャーリー)
